ワイナリーの魅力を再現した展示会「Feel The Vineyard」

デザイナーKelvin Chanが表現する自然とモダンの融合

香港で開催されたアジア太平洋地域最大級のワインとスピリッツの展示会「Vinexpo Hong Kong」。その中で注目を集めたのが、デザイナーKelvin Chanが手掛けた展示会「Feel The Vineyard」だ。木材と草を主要素材とし、ワイナリーの雰囲気を再現。訪れる人々にワインの魅力を五感で体験してもらうことを目指した。

展示会のテーマはワイナリー。木材のパターンはワイン製造の象徴である木製の樽を、草は新鮮で高品質な原料を象徴している。これらの要素により、訪れた人々は自然のブドウ園を再現した空間でワインを楽しむことができる。

この展示会のユニークな特性は、255のワインブランドの展示ブースとともに、インタラクティブな壁とワインバーが設けられていることだ。ワインは味わうだけでなく、香りも楽しむことができる。訪問者はオーストラリア産のワインが持つ様々な香りを体験することができ、オーストラリアワインへの興味と印象を深めることができる。

展示ブースのディスプレイキャビネットは、限られたスペースを考慮してワイヤーメタルデザインが採用された。これにより、各ブースの視覚的な広がりが増し、展示方法の柔軟性も向上した。

プロジェクトの期間は初期の打ち合わせから現地での完成まで4ヶ月。2018年5月29日に開催され、3日間続いた。会場は香港のコンベンション＆エキシビションセンターだった。

デザインの最大の課題は、全ての島をつなげることだった。スペースと異なるデザイン要素のため、4つの島は分断されて見えた。そのため、デザイナーは各島のゲートウェイを作り、訪問者が異なる島に簡単に移動できるようにした。また、セクションの看板とグラフィックバナーはゲートウェイの上部に配置され、訪問者と出展者を誘導した。

このデザインは、2020年のA' Event and Happening Design Awardでブロンズを受賞した。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にするデザインに授与される。